金銭報酬を伴わない無償案件の場合でも、就労とみなされるような過剰な制限・指示を行うとビザ確認を行い、就労する権利を持っているか確認する必要が発生します。
この記事では就労とみなされないための募集文作成のポイントを紹介します。
そもそも在留資格の確認が必要なケースや確認方法を知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
在留資格確認の必要性と確認方法
https://help.pepperlikes.com/hc/ja/articles/53984256809241
1. 募集タイトル・キャッチコピー
ポイント: 「仕事・役割」ではなく「機会・体験」を強調する。
つい「アンバサダー募集」「PR担当募集」と書きたくなりますが、これは「役割(業務)」を連想させるため、ビザの観点ではハイリスクです。「ご招待」「プレゼント」という表現を使いましょう。
| 項目 | ✅ 推奨される表現(体験ベース) | ⚠️ リスクのあるNG表現(業務ベース) |
| キーワード | 無料招待 体験モニター 試食会 プレゼント リトリート ご来店キャンペーン |
1日店長 PRスタッフ アンバサダー就任 業務委託 仕事 案件 |
【業務に該当する例】
- × 「当店のアンバサダーとなり魅力を発信してくれる方募集!」
- → 理由:「スタッフ」という言葉は雇用関係を強く示唆します。
- × 「新商品の販促業務にご協力いただける方」
- → 理由:「業務」と書くと、無償であっても契約責任が生じる印象を与えます。
2. プロジェクト説明(当日の過ごし方)
ポイント: 「指示・命令」ではなく「条件・推奨」にする。
企業としては「せっかくだからアレもコレも体験してほしい」と思いがちですが、行動を細かく強制すると「指揮命令権の行使(=雇用)」とみなされます。
| 項目 | ✅ OK:モニター・消費者 | ⚠️ 実質的な労働・拘束 |
| スタンス | お客さんとして楽しみ、そのついでに発信する。 | 企業の指示に従い、タスクをこなす。 |
【業務に該当する例】
-
× 服装や持ち物の過度な指定
- 「当日はブランドイメージに合わせて、全身白のコーディネートで来店してください」
- → 理由:業務上の服装規定(制服)に近い拘束とみなされます。「清潔感のある服装で」程度ならOKです。
-
× スタッフ同様の振る舞い
- 「来店時は他のお客様への配慮として、大きな声での会話は禁止、撮影は指定の場所のみでお願いします」
- → 理由:マナーのお願いならOKですが、あまりに厳しい行動制限は「管理下にある労働者」と判断されるリスクがあります。
-
× 業務の手伝い
- 「撮影に使用した食器は、ご自身でカウンターまで返却をお願いします」
- → 理由:セルフサービスの店ならOKですが、フルサービスの店でこれを書くと「労働の提供」になります。
3. スケジュール・時間指定
ポイント: 「時間の切り売り」ではなく「期間内の自由参加」にする。
「〇時~〇時」と分単位で時間を管理することは、最も「雇用」に近い要素です。幅を持たせましょう。
【業務に該当する例】
-
× 分刻みのスケジュール
- 「13:00集合、13:10~商品説明、13:30~試食、14:00解散の計1時間コースです」
- → 理由:完全に時間を管理されています。「説明を聞く」という業務が含まれていると判断されます。
-
× 遅刻・欠席へのペナルティ示唆
- 「開始5分前には必ず到着してください。遅れた場合は参加不可です」
- → 理由:厳しい勤怠管理は労働契約の特徴です。「予約時間に遅れる場合はご一報ください」程度に留めましょう。
✅ こう書き換えればOK
「11:00~15:00のランチタイム内で、お好きなお時間にご予約ください」
「所要時間は1時間程度を目安としておりますが、ごゆっくりお過ごしいただけます」
4. 投稿内容への指示(ディレクション)
ポイント: 「台本の強制」ではなく「キャンペーンの適用条件」にする。
「PR投稿」なのでハッシュタグ等の指定は問題ありませんが、投稿の中身(感想)までコントロールしようとすると、「広告制作業務」になります。
【業務に該当する例】
-
× 文言の完全指定(コピペ強要)
- 「以下の文章を一言一句変えずに投稿してください」
- → 理由:本人の意思による感想ではなく、企業の業務代行になります。
-
× ネガティブ禁止の強制
- 「マイナスな感想や、他社と比較する発言はNGとなります」
- → 理由:検閲・指揮命令にあたります。「魅力が伝わる投稿をお願いします」とポジティブにお願いする形にしましょう。
-
× 下書き確認の強制
- 「投稿前に必ず下書きのスクリーンショットを送り、弊社の許可を得てから投稿してください」
- → 理由:これは完全に業務フローです。事後報告形式にしましょう。
✅ こう書き換えればOK
「指定のハッシュタグ(#PR #〇〇)をつけて投稿することが無料提供の条件です」
「ぜひ、〇〇を食べた感想をあなたの言葉でフォロワーに伝えてください」
5. 交通費・金銭について
ポイント: 観光ビザ(カードなし)の人を対象にするなら「現金は渡さない」が鉄則。
【業務に該当する例】
-
× 交通費の支給
- 「遠方からお越しの方には、一律2,000円を当日手渡しします」
- → 理由:名目が交通費であっても、現金の支給は「報酬」とみなされるリスクが非常に高いです。原則「現地集合・現地解散(交通費自己負担)」としてください。
-
× 換金性の高い特典
- 「投稿のお礼に、Amazonギフト券3,000円分をプレゼント!」
- → 理由:ギフト券は現金同等物とみなされます。あくまで「自社商品・サービスの提供」に留めてください。
まとめ:安全な募集文のチェックリスト
公開前に、以下の観点でセルフチェックをお願いします。
- [ ] タイトルは「仕事」ではなく「体験・招待」になっていますか?
- [ ] 「スタッフとして」「業務として」という言葉を使っていませんか?
- [ ] 「〇時に来ないとダメ」という厳しい時間拘束になっていませんか?
- [ ] 「このセリフを言え」という台本の強制になっていませんか?
- [ ] インフルエンサーが「楽しんで、自由に感想を書く」余地は残されていますか?
このガイドラインを守ることで、企業様もインフルエンサーも、法的な不安なく安心してPR施策を実施いただけます。
コメント
0件のコメント
サインインしてコメントを残してください。